永住申請の審査で「年収」はどう判断されるか

⚠️ おことわり

本記事は出入国在留管理庁が公開している公式情報等をもとに、制度や手続きを整理して提供するものです。個別の在留資格審査や許可判断については、必ず出入国在留管理庁または行政書士等の専門家へご確認ください。

📝 本記事のポイント

永住許可申請における「年収(独立生計要件)」の重要なポイントは以下の通りです。

審査項目 実務上の目安とポイント
年収の安全ライン単身者の場合、実務上の目安として「約300万円以上」が基準とされる傾向にあります。
扶養家族の加算扶養家族が1名増えるごとに、約70万円〜80万円程度の年収加算が必要となるのが実務上の目安です。
審査対象となる期間一般の就労資格は「過去5年間」、日本人等の配偶者は「過去3年間」、高度専門職は「過去1年〜3年間」の連続した安定収入が求められます。
配偶者の年収合算申請する在留資格によって、世帯収入として合算が認められる場合と、本人の年収が厳格に問われる場合があります。
  • 継続的な安定性が重視される:直近1年だけ年収が高くても、過去の年収が低い場合は「安定している」とみなされない可能性があります。
  • 「手取り」ではなく「額面」:審査の対象となるのは、税金や社会保険料が引かれる前の「総所得金額(額面)」です。
  • 過剰な扶養控除に注意:税金を安くするために母国の親族を多数扶養に入れている場合、年収要件を満たさないと判断されるリスクが高まります。
  • 年金・保険の支払状況もチェックされる:いくら年収が高くても、年金や健康保険の未納・支払遅延があると不許可になります。詳細は年金未納と永住申請の影響をご確認ください。
  • 📑 目次

    1. 制度の基本概要(独立生計要件とは)

    入管法において、永住許可の要件の1つに「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること(独立生計要件)」が定められています。年収以外に永住審査で重視される公的義務の履行状況について解説しています

    これは、「将来において公共の負担(生活保護など)にならず、現在持っている資産や職業のスキルによって、日本で安定した生活を送ることができるか」を審査するものです。永住権申請の条件の一つとして、年収は特に重要な審査項目です。その中心となる指標が「年収」となります。

    2. 対象者と審査対象期間

    現在の在留資格によって、独立生計要件の適用範囲と、収入を証明すべき「過去の期間」が異なります。

    現在の在留資格(申請ルート) 審査対象となる年数 独立生計要件の適用
    一般の就労資格(技術・人文知識・国際業務など)過去5年間原則として申請者本人に厳格に適用されます。
    日本人の配偶者等 / 永住者の配偶者等過去3年間緩和されます(配偶者の収入を含め、世帯として安定していれば可)。
    定住者過去5年間適用されます。
    高度専門職(80点以上)過去1年間適用されます。
    高度専門職(70点以上)過去3年間適用されます。

    3. 年収の目安(安全ライン)

    出入国在留管理庁から「年収〇〇万円以上であれば許可される」という明確な法的基準額は公表されていません。しかし、実務上の傾向として以下の目安が知られています。扶養家族の人数が年収要件に与える影響について詳しく解説しています

    📝 【計算例】

    妻(専業主婦)と子ども1人を扶養している場合
    基準300万円 +(2人 × 70万円)= 約440万円
    ※この金額はあくまで審査上有利に働く目安であり、この金額を下回ったからといって「必ず不許可になる」わけではありませんが、審査が厳しくなる傾向にあります。

    4. 配偶者との年収合算について

    共働きの場合、夫婦の年収を合算して審査を受けられるかについては、申請ルートによって扱いが異なります。

    ① 「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」からの申請

    世帯単位での合算が認められます。
    申請者本人に十分な収入がなくても、日本人(または永住者)である配偶者に十分な収入があり、世帯全体として生活基盤が安定していれば要件を満たします。

    ② 「一般の就労資格」からの申請

    原則として、申請者本人の年収が重視されます。
    ただし、配偶者も適法に就労している場合(例:配偶者も就労ビザを持っている、または「家族滞在」ビザで週28時間以内の資格外活動許可を得て働いている等)、その収入は「世帯の安定性を支えるプラス要素」として総合評価に考慮される可能性があります。

    5. 審査に必要な証明書類

    年収を証明するために、主に以下の書類を提出します。

    6. 審査の重要ポイント

    7. 注意点(転職・産休・育休の影響)

    8. 違反やリスク

    9. よくある質問(FAQ)

    ❓ 銀行に1,000万円の貯金がありますが、年収は200万円です。永住許可は下りますか?

    預貯金や不動産などの「資産」も審査の考慮要素にはなりますが、永住審査では「将来にわたって継続的な収入を生み出す能力(=安定した年収)」がより重視されます。多額の貯金があっても、毎年の年収が実務上の目安を大きく下回る場合、審査は厳しくなる傾向があります。

    ❓ 過去5年のうち、1年だけ年収が300万円を下回った年があります。申請は無理ですか?

    必ずしも申請が不可能になるわけではありません。なぜその年だけ収入が下がったのか(例:病気による一時的な休職、会社の業績悪化による一時的な減給など)、現在は回復しており今後も安定していることを合理的に説明できれば、総合的に判断して許可される可能性があります。

    ❓ 会社から交通費や住宅手当をもらっていますが、これは年収に含まれますか?

    「非課税の交通費(通勤手当)」は、課税証明書の総所得金額には含まれないため、永住審査の年収にはカウントされません。一方、課税対象となる住宅手当や家族手当などは総所得に含まれるため、年収として評価されます。

    10. 情報源

    📌 出典・参考リンク

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