特定技能から技人国ビザへ変更する実務経験ルート完全解説
本記事は出入国在留管理庁が公開している公式情報等をもとに、制度や手続きを整理して提供するものです。個別の在留資格審査や許可判断については、必ず出入国在留管理庁または行政書士等の専門家へご確認ください。
特定技能1号から技人国(技術・人文知識・国際業務)ビザへの在留資格変更方法を徹底解説。学歴要件がない場合でも実務経験で申請可能なルート、必要書類、審査ポイント、不許可対策、成功率を上げるコツまで詳しく説明。
特定技能から技人国へ変更する基本条件
特定技能1号から技人国ビザへの変更は、多くの在日ベトナム人にとってキャリアアップの重要な選択肢です。しかし、変更にはいくつかの厳しい条件があります。技人国ビザの学歴要件と実務経験ルートもあわせてご確認ください。
変更に必要な基本条件
- 学歴要件:大学または専門学校で技人国ビザの対象分野を専攻し卒業していること
- 実務経験ルート:大学卒業でない場合でも、関連分野での実務経験が10年以上あれば申請可能
- 職務内容の一致:現在の職務内容が技人国ビザで認められる業務範囲と一致していること
- 雇用契約の安定性:転職先の企業が安定しており、無期雇用または1年以上の契約であること
- 給与条件:日本人と同等以上の給与(月額20万円以上)
特定技能の職種と技人国の職種の対応関係
| 特定技能の職種 | 対応する技人国の区分 | 変更の難易度 |
|---|---|---|
| 飲食料品製造業 | 技術(食品開発・品質管理)または人文知識(生産管理) | 中程度 |
| 外食業 | 人文知識(店舗管理・マーケティング) | 中程度 |
| 建設 | 技術(施工管理・設計) | 難しい |
| 介護 | 技術(介護技術指導) | 難しい |
| 農業 | 人文知識(農業経営・輸出) | 非常に難しい |
特定技能の業務内容が技人国ビザの「技術」または「人文知識」の区分に合致しない場合、変更は難しくなります。特に単純作業が中心の職種から技術系の職種への変更は、学歴と実務経験の両方が求められるため、ハードルが高いと言えます。
実務経験ルートで申請する方法
実務経験ルートとは
大学卒業の学歴がない場合でも、関連分野での実務経験が10年以上あれば、技人国ビザを申請できる可能性があります。特定技能ビザで働いている期間も実務経験に含めることができます。
実務経験10年の計算方法
- 特定技能での就労期間:特定技能1号として働いた期間は全額カウント
- 技能実習期間:技能実習での経験も、関連分野であればカウント可能
- ベトナムでの就労期間:ベトナムで関連分野での就労経験があればカウント可能
- アルバイト期間:正社員としての経験のみカウントされるのが一般的。アルバイト期間は認められない可能性が高い
実務経験の証明方法
- 在職証明書:各職場での勤務期間、職種、業務内容が明記された証明書を取得
- 職務経歴書:時系列で業務内容と成果を詳細に記載
- 推薦書:前職の上司や同僚からの推薦書があると有利
- 資格証明書:業務に関連する資格や検定の合格証
- 源泉徴収票:各年の収入を証明する書類
実務経験ルートでの注意点
実務経験ルートでの申請は、大学卒業ルートよりも審査が厳しくなります。特に、10年の経験のうち特定技能での期間が短い場合は、経験の質と内容を詳細に説明する必要があります。
変更申請の手続きと必要書類
申請手続きの流れ
- 事前準備:必要書類をすべて揃える(1〜2ヶ月前から準備)
- 書類作成:申請書、理由書、雇用理由書などを作成
- 申請:最寄りの入国管理局に在留資格変更許可申請を提出
- 審査:審査期間は東京入管で約1〜3ヶ月、地方で約2週間〜1ヶ月
- 許可:許可されると、在留カードに新しい在留資格が記載される
必要書類一覧
| 書類名 | 備考 |
|---|---|
| 在留資格変更許可申請書 | 出入国在留管理庁のサイトからダウンロード |
| 写真(縦4cm×横3cm) | 1枚、申請前3ヶ月以内に撮影 |
| パスポート | 原本と写し |
| 在留カード | 原本と写し(両面) |
| 卒業証明書(または実務経験証明書) | 大学卒業の場合は卒業証明書と成績証明書 |
| 雇用契約書 | 現在の雇用先との契約書 |
| 雇用理由書 | 企業側が作成。なぜこの外国人を雇用する必要があるかを説明 |
| 会社の登記簿謄本 | 3ヶ月以内に発行されたもの |
| 会社の決算報告書 | 直近年度のもの |
| 源泉徴収票 | 直近1年分(できれば2〜3年分) |
| 課税証明書 | 市区町村役場で取得 |
| 納税証明書 | 市区町村役場で取得 |
審査通過のポイントと不許可対策
審査で重視されるポイント
- 特定技能での業務内容と技人国区分の一致:最も重要なポイント。特定技能で行っていた業務が、技人国の「技術」または「人文知識」の区分に合致する必要があります。
- 給与の安定性:日本人と同等以上の給与があることを証明するため、複数年の源泉徴収票が必要
- 企業の安定性:雇用先の企業が安定した経営状況であること。赤字続きの企業は審査で不利
- 日本語能力:業務で日本語を使用する場合は、N2以上が実質的に必要
不許可になる主な理由と対策
| 不許可理由 | 対策 |
|---|---|
| 業務内容が技人国の範囲外 | 現在の業務内容を技人国の区分に合わせて調整するか、転職を検討 |
| 学歴要件を満たしていない | 実務経験10年の証明資料を充実させる |
| 給与が低すぎる | 給与交渉を行うか、転職先を探す |
| 過去の在留状況に問題 | 理由書で事情を説明し、改善されたことを示す |
| 書類不備 | 行政書士に書類をチェックしてもらう |
よくある質問(FAQ)
Q1. 特定技能1号から技人国に変わると、在留期間はどうなりますか?
A. 技人国ビザの在留期間は「3ヶ月」「1年」「3年」「5年」のいずれかが付与されます。特定技能1号の上限5年よりも短くなる場合もありますが、更新が可能です。技人国ビザの更新手続きもあわせてご確認ください。
Q2. 特定技能2号からも変更できますか?
A. 特定技能2号から技人国への変更も可能です。特定技能2号は在留期間の上限がないため、変更しない選択肢もあります。
Q3. 変更許可が下りるまで現在の仕事は続けられますか?
A. はい、現在の特定技能ビザの有効期間内であれば、特定技能の範囲内で就労を継続できます。
Q4. 不許可になった場合、特定技能ビザに戻れますか?
A. 特定技能ビザの残存期間があれば、特定技能の範囲内で就労を継続できます。
Q5. 変更に成功した場合、家族を呼び寄せられるようになりますか?
A. 技人国ビザでは、家族滞在ビザの申請が可能になります。ただし、収入要件を満たしている必要があります。
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