成功報酬型と相談料型の違い
本記事は出入国在留管理庁が公開している公式情報等および一般的な法律実務の傾向をもとに、制度や手続きを整理して提供するものです。個別の在留資格審査や許可判断については、必ず出入国在留管理庁または行政書士等の専門家へご確認ください。
- 在留資格(ビザ)申請を専門家(行政書士など)に依頼する際の費用体系は、大きく「成功報酬型」と「相談料(基本報酬)型」に分かれます。
- 「成功報酬型」であっても、初期費用が一切かからない完全成功報酬は少なく、事前に「着手金」を支払うのが一般的です。
- 自身の過去の違反などを隠して申請し不許可になった場合、成功報酬型の返金対象外となるケースが多いため注意が必要です。
1. 制度の基本概要
行政書士などの専門家に在留資格の手続きを依頼する場合、報酬の定め方は法律で一律に決まっているわけではなく、各事務所が独自に設定しています。主に、許可が下りた場合に追加で費用を支払う「成功報酬型」と、時間や業務範囲に応じて固定で費用を支払う「相談料(基本報酬)型」の2つのパターンが存在します。
2. 対象者
- 在留資格の変更、更新、永住、帰化などの申請を専門家に依頼しようと検討している外国人本人
- 外国人の採用・ビザ手配を外部の専門家にアウトソーシングしたい企業の担当者
3. 成功報酬型の特徴と条件
成功報酬型は、入国管理局の審査において「許可」という結果が出たことに対して報酬を支払う方式です。
- 一般的な仕組み: 依頼時に「着手金(初期費用)」を支払い、許可が下りた後に「成功報酬(残金)」を支払う形式が主流です。
- 不許可の場合: 万が一不許可になった場合、成功報酬(残金)の支払いは免除されます。事務所によっては、着手金の一部または全額を返金する「返金保証制度」を設けている場合もあります。
- 条件: 返金保証や無料の再申請サポートを受けるには、「依頼者が真実をすべて専門家に伝えていること」が絶対条件となります。
4. 相談料型の特徴と条件
結果にかかわらず、専門家が動いた時間や作成した書類に対して報酬を支払う方式です。
- 一般的な仕組み: 「相談1時間あたり〇〇円」「書類チェックのみ一式〇〇円」など、業務内容に応じて明確な金額が設定されています。
- 不許可の場合: 結果が不許可であっても、提供されたサービス(助言や書類作成)に対する対価であるため、費用の返金は原則としてありません。
- 適したケース: ご自身で書類を作成し、最終確認だけをプロに依頼したい場合や、申請するかどうかの法的アドバイスのみを求めている場合に適しています。
5. 両者の違いと比較表
それぞれの制度上の違いを以下の表に整理します。
| 比較項目 | 成功報酬型(着手金+残金) | 相談料型(固定報酬・時間制) |
|---|---|---|
| 費用の総額 | 比較的高めになる傾向がある | 必要な業務のみ依頼するため抑えやすい |
| 費用の発生基準 | 「許可」という結果に対して発生 | 「業務の遂行・時間」に対して発生 |
| 不許可時の金銭的リスク | 低い(残金の支払い不要・返金保証等あり) | 高い(支払った費用は戻らない) |
| 向いている人 | 手続きを丸投げし、結果に安心感を求めたい人 | 自分で動けるが、専門的な助言や確認だけが欲しい人 |
6. 依頼から契約までの流れ
- 初回相談: ご自身の状況(経歴、希望するビザ、懸念点)を正確に伝えます。無料相談前に準備すべきことについて解説しています。
- 見積書の提示: 専門家から、どちらの報酬体系に該当するか、総額はいくらかが提示されます。
- 委任契約の締結: 報酬体系、着手金、実費(印紙代など)、返金条件などが記載された「委任契約書」に署名します。
- 着手金の支払い: (成功報酬型の場合)指定された初期費用を支払うと、専門家が業務を開始します。
- 結果の通知と精算: 許可が出た後に成功報酬を支払います。
7. どちらを選ぶべきかの判断基準
自身のケースが「一般的な申請」か「難易度の高い申請」かによって選択すべき体系が変わります。過去にオーバーステイ歴がある場合や、転職を何度も繰り返している場合など、審査が厳しくなることが予想されるケースでは、不許可時のリスクを軽減できる成功報酬型(または再申請サポート付き)を選択することが推奨されます。行政書士に頼むべき状況かの判断基準を詳しく解説しています。
費用を抑えたい方は、理由書を自分で作成する方法もあわせてご検討ください。
永住権申請に関する総合的な情報は永住権申請の条件 2026年の記事で詳しく解説しています。
8. 注意点
- 「完全無料」の誤解: 「成功報酬」と聞いて、「許可されるまでは1円も払わなくてよい(着手金ゼロ)」と誤解されることがありますが、着手金ゼロの事務所は少数派です。通常は着手金が発生することにご留意ください。
- 実費の負担: どちらの形式であっても、入管に支払う手数料(印紙代4,000円〜8,000円)や、役所で書類を取得する際の手数料、郵送費などの「実費」は依頼者負担となります。
9. 違反やリスク
- 虚偽申告による返金不可: 「週28時間以上のアルバイト(資格外活動違反)をしていた」「税金を滞納していた」などの事実を専門家に隠して依頼した場合、入管の審査でそれが発覚して不許可になっても、返金保証の対象外となるのが原則です。さらに違約金を請求される場合もあります。
- 「100%許可」を謳う業者: 出入国在留管理庁の審査には法務大臣の裁量が含まれるため、「100%確実に許可される」と断言することは専門家であっても不可能です。過度な保証を謳う無資格のブローカーにはご注意ください。料金だけで判断せず、行政書士の見極め方も確認しましょう。
10. よくある質問(FAQ)
違法とは限りません。契約書に「着手金は返金しない」「不許可の理由が依頼者の虚偽報告にある場合は返金しない」と規定されている場合、その契約に従うことになります。契約前に返金条件を必ず確認してください。
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可能です。費用を抑えたい方にとっては有効な手段です。ただし、入国管理局の窓口での質問対応や追加書類の提出指示には、すべてご自身で対応する必要があります。
11. 情報源
- 日本行政書士会連合会(報酬額の統計や依頼に関する一般的な指針)
- 民法(委任契約・請負契約に関する基本規定)